夕方になると靴がきつい。
靴下の跡がなかなか消えない。
足が重だるくて、横になるとつらい。
むくみは、多くの方が経験する身近な症状なので、
「疲れているだけ」「すぐに引くだろう」
とそのままにしてしまう人がほとんどです。
でも、むくみが続くときには、心臓や血管、腎臓などの体の働きに変化が起きていることがあります。
特に、
・片側だけ急に腫れた
・むくみと一緒に息切れが増えた
こうした場合は、早めに診察を受けてほしいサインです。

むくみの原因は本当に幅が広く、
心臓・腎臓・肝臓・甲状腺・静脈・リンパ・薬の副作用…
一つひとつ確認していく必要があります。
患者さんが自分で判断するのは難しく、
受診先に迷うのも当然です。
当院では、まず「危険なむくみかどうか」を見極めます。
循環器内科として、見逃してはいけない疾患から優先的にチェックしながら、むくみの“交通整理”を行います。
エコー検査や採血を組み合わせて、以下を丁寧に確認します。
1. 心臓の働き(心不全の有無)
心臓のポンプ力が落ちると、足に水が溜まりやすくなります。
特に高齢の方ではよく見られる原因です。
2. 深部静脈血栓症(DVT)
片足だけ腫れるときに疑う病気です。
放置すると肺に血栓が飛ぶ危険もあるため、早めの診断が必要です。
3. 腎臓・肝臓・甲状腺などの異常
体の水分調整に関わる臓器に問題がないか、採血で確認します。
4. 薬の影響
血圧の薬や痛み止め(ロキソニンなど)がむくみを引き起こすことがあります。
「足が痛い → 痛み止めを飲む → むくみが悪化」というケースは意外と多いので、お薬手帳をぜひお持ちください。
無理に「全部できる」とは言いません。
専門的な治療が必要な場合は、最も適した病院へ紹介します。
下肢静脈瘤の手術
軽度であれば当院で対応できますが、レーザー治療が必要な方は手術可能な施設をご案内します。
専門的なリンパ浮腫
がん治療後に生じるリンパ浮腫の場合、専門の検査・リハビリが必要なため、専門施設と連携します。
原因が特定できないむくみ
検査で明らかな異常がなく、「体質的なむくみ」や「筋力不足」が原因の場合もあります。
その際は、生活習慣や運動、漢方などで無理なく対策を一緒に考えていきます。
むくみの診療で一番大切なのは、心不全や血栓症など、命に関わる病気を見逃さないことです。
まずはそこをしっかり確認させてください。
心臓が原因であれば、私の専門分野です。
全力で治療します。
他の原因であれば、必要に応じて最適な医療機関へおつなぎします。
足を診て、
「大丈夫ですよ、心配ありません」
と伝えられるだけで安心される方も多いです。
気軽に相談してください。