舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

スギ花粉におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)引用

スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)があります。

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)は、原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ取り入れて、体を徐々に慣らしていき、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。

当院ではスギ花粉に対する舌下免疫療法のみ行っております。ダニ抗原に対する舌下免疫療法は、当院では行っておりません。

期待できる効果

期待できる効果
  • くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの改善

  • 涙目、目の痒みの改善、アレルギー治療薬の減量

  • 生活の質の改善


長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。


症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。


約8割の方に効果があると言われていますが、残念ながら約20%の方に効果が出ない方がいます。

治療開始時期

スギ花粉が飛んでいる時期は治療を新たに開始することはできません。

スギ花粉症の「アレルゲン」は「スギ花粉」であり、スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっています。

そのため、スギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。
スギ花粉に対する舌下免疫療法の治療開始時期は、目安で6月頃~11月下旬頃です。(電話で問い合わせをしてください。)

服薬

服薬

1.診察
まず初めに診察を行い、アレルギー検査(血液検査)を行います。

2.初回治療
スギ花粉のアレルギーがあることを確認し、当院で初回投与を行います。
初回投与は医師の監督のもと行い、20-30分ほど経過をみます。

3.増量期
1日1回、少量から開始し、からだをアレルゲンに慣らしていきます。
徐々に投与量を増量していきます。

4.維持期
1週間少量を投与して副作用の出現がないかどうか確認のため受診していただきます。
2週目以降は毎日同量の薬を継続していきます。
その後、数年にわたり継続して服用します(3年以上推奨)。そのため、定期的な受診が重要です。


副作用

主な副作用

  • 口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
  • 唇の腫れ
  • 喉(のど)の刺激感、不快感
  • 耳のかゆみ など

上記の副作用が報告されています。いずれも軽微な症状で、ほとんどが一時的なものです。しかし、もしこのような症状が出現し、改善がない場合はただちに受診が必要です。

重篤な副作用

  • ショック
  • アナフィラキシー

きわめて稀ですが、重篤な副作用(アナフィラキシー、アナフィラキシーショック)が発生する可能性は否定できないとされています。頻脈、血圧低下、意識が遠のく、顔が真っ青になるなどの症状や下記のアナフィラキシー症状がありましたら迷わず救急車を呼んでください。

※アナフィラキシー
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる

費用について(3割負担の場合)

診察診察費用お薬代
初回投与の日
再診の場合 1420円
約800円
初回投与から1週間後
660円
約2190円

※診察費用は2022年4月に改定(アレルギー性鼻炎免疫療法指導管理料が加算)。

※お薬代は参考金額です。詳しくは薬局にてお尋ねください。

※アレルギー検査料金は含まれていません。

参考文献:

スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)引用

鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版(改訂第8版)