糖尿病

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)を下げる働きを持つ「インスリン」というすい臓のβ細胞から分泌されるホルモンが不足したり、働きが悪くなったりすることで、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。
食生活の欧米化、慢性的な運動不足の増加により、日本人の糖尿病・糖尿病予備軍※の方が年々増加しています。日本人の40歳以上の3人に1人が「糖尿病」または「糖尿病予備軍」と言われております。
糖尿病が怖いのは、治療せずに放置していると、糖尿病性神経障害や糖尿病網膜症などの重篤な合併症を引き起こしてしまうことです。
糖尿病にならないためにも、定期的な健康診断を受診し早期発見、予防、治療を行うことが大切です。

※血糖値が正常の範囲を超えているが、糖尿病とも診断されない値が「境界型」とされ、「境界型糖尿病」「糖尿病予備軍」などといわれています。放置していると、いずれ糖尿病になる可能性が高くなります。

糖尿病の分類

糖尿病は、その原因によって大きく2種類に分けられます。

1型糖尿病 ― ウイルス感染など、何らかの原因によって起こる免疫異常によって、膵臓の細胞が壊されて、インスリンが出なくなることが原因で起こるもの。

  • 生活習慣や肥満が関係することはない
  • 小児期や青年期に発症することが多い
  • 患者さん全体の約5%

2型糖尿病 ― 生活習慣に、年齢や遺伝的要因が重なって起こるもの。

  • 生活習慣や肥満が大きく関係している
  • 日本人の9割以上が2型糖尿病
  • 中年以降に多い

糖尿病の症状

糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどありません。
糖尿病が進行すると、以下のような症状があらわれます。

  • のどが渇く
  • よく水を飲む
  • 尿の量や回数が増える
  • 食べていても体重が減る
  • 疲れやすい
  • 皮膚が乾燥する
  • 眼がかすむ
  • 手足の感覚が低下する

など

糖尿病の合併症

糖尿病になってからすぐに合併症が起こることはありませんが、放置した状態で年月を経ると、さまざまな合併症を併発するリスクが高まります。

糖尿病の合併症には、大きく分けると細い血管にみられる合併症(細小血管障害)と、太い血管にみられる合併症(大血管障害)の2つがあります。
糖尿病に特有の合併症として多く見られるのが、細小血管障害の「糖尿病網膜症」、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性神経障害」で三大合併症と呼ばれます。
また、大血管障害は脳梗塞、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や閉塞性動脈硬化症など、生命に関わる病気が起こります。


糖尿病の治療

糖尿病の治療には①食事療法、②運動療法、③薬物療法の3つの柱があります。

糖尿病の治療は血糖を下げ、心筋梗塞、脳梗塞や腎不全などの合併症を予防することを目標に行います。今の自分だけでなく10年後、20年後の自分も見据えて治療を始めることが肝心です。
当クリニックでは、早期に正しく病状を把握し、患者さま一人ひとりに合った治療法を行ってまいります。