気管支喘息

喘息時の気管支

気管支喘息は、気道に慢性的に炎症が起こり、さまざまな刺激によって気道が狭くなることで喘鳴、呼吸苦、せきなどの症状が出る病気です。

近年は、吸入ステロイド治療によって喘息の死亡率は大きく減少しています。しかし、死亡者のほとんどが高齢者のため、高齢化が進む日本では、喘息死が増加することが予想されます。高齢の方は吸入がしっかりとできていないケースがあり吸入器(デバイス)選択や症状コントロールが重要になります。


気管支喘息の症状

  • せき、痰(たん)が出る
  • 息苦しい
  • 胸が苦しい
  • 喘鳴(呼吸のときにヒューヒュー、ゼーゼーといった音)が聞こえる

など

一般的には、明け方や天候の変化、風邪をひいたときなどに出やすくなります。また、症状が一過性のため、そのまま放置されることも多いです。

気管支喘息の原因

喘息時の気管支

原因はさまざまですが、大きく2つに分類されます。

  • 遺伝的因子
    喘息は遺伝的要素が関与することが多く、両親に喘息などのアレルギー疾患がある場合、発症のリスクが高くなります。

  • 環境因子
    アレルゲン(花粉症、ハウスダスト、カビなどのアレルギー原因物質)、天候の変化、風邪、喫煙、運動、薬剤、月経、ストレス
    など、さまざまな要因で発症、増悪することがあります。

気管支喘息の検査

  • 問診
    症状や発作の回数、アレルギー歴や薬剤歴など総合的に問診します。

  • 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
    呼吸の機能を検査することができ、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断に重要です。
    検査では、息を思いきり吸ってから勢いよく吐いたときに、1秒間で吐ける量(1秒量)を測定します。気道が狭くなっていると1秒量が少なくなります。

  • 呼気一酸化窒素(FeNO)濃度測定検査
    機械に直接息を吹き込み、吐いた息の中の一酸化窒素(NO)濃度の数値を測定します。
    喘息の患者さんは気道に炎症が起こっているため、一酸化窒素(NO)が産生されています。呼気中のFeNO値を測定することで、気道の炎症の程度を知ることができます。

    当院ではクリニックとしては珍しく、呼吸機能検査・FENO検査も当日すぐに検査が可能です。

  • 血液検査
    血液中の好酸球数、総IgE値などを測ります。
    喘息はアレルゲンが原因の場合もあるため、アレルギー検査もおすすめしています。

気管支喘息の治療

意外と知られていませんが、喘息は徐々に進行した後、最終的に症状が出てくる進行性の病気です。症状がないときでも気道に炎症が起きているため、早期発見・治療継続が重要となります。高血圧や糖尿病と同じように、長く付き合っていかなければならない病気だという認識が必要です。

  • 吸入薬、内服薬
    基本的な治療は吸入薬になります。
    長期管理薬(コントローラー)と発作時に使う発作治療薬(リリーバー)があり、種類も慢性炎症を抑える吸入ステロイド薬、気管支を拡張する吸入薬など多岐にわたります。また、同じ系列の吸入薬でも患者さんによって相性があり、それらの薬剤選択、用量設定が大変重要なポイントになります。

  • 抗体療法
    さまざまな治療を行っても症状が残る難治症例に対しては、抗体療法を行います。
    現在は4種類の抗体療法(抗IL-4Ra抗体、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5Ra抗体)が選択可能です。難治例、重症例では、当院の関連病院をご紹介して導入を行います。
繰り返しになりますが、喘息は基本的には進行性の病気です。症状が軽くても治療を続けることが重要になります。

生活習慣

日常生活では、喘息の危険因子となる以下に気をつけて過ごしましょう。

  • 環境整備
    ダニ・ホコリ・カビなど発作の原因となるアレルゲンを少なくしましょう。アレルゲンが身近にある方は、こまめな掃除や換気などでアレルゲンの暴露を避けることで症状を大幅におさえることができます。

  • 禁煙
    禁煙しましょう。家族の中に喫煙者がいる場合は禁煙してもらうか、受動喫煙に気をつけましょう。

  • 風邪
    風邪やインフルエンザなどの感染症に注意しましょう。調子の悪いときは無理しないことが大切です。